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手作りチョコレート教室
バレンタイン小説。変態臭いチョコプレイ。





「カヲル君、準備できたよー」

カヲル君が来る前に、最終確認がてらもう一度キッチンのテーブルを見渡してみる。
テーブルの上には牛乳やココアパウダー、ボウル……お菓子作りに必要なものが一通り並んでいる。
何よりも忘れてはいけないのがのチョコレート。本日のメインだ。
今日はバレンタインデー。
女の子が男の子にチョコを渡して、愛を伝える日。
でも、僕達にとってはちょっと違う。
今日はカヲル君と一緒にチョコレートを作る。
カヲル君の提案だ。
カヲル君とのお菓子作りなんて、普段しないだけに楽しみだ。
さっきから何度も材料を見渡して、正直そわそわしてないと言ったら嘘になる。
カヲル君はお菓子作りをほとんどしたことないと言うけれど、カヲル君ならうまく作るだろうし、ちょっと失敗して机を汚してしまったって、片付けも含めて楽しいものになるだろう。

「ありがとう、シンジ君。僕も準備はばっちりだよ。早速始めようか」

ようやくカヲル君が顔を出す。
さっきメインはチョコレートと言ったけれど、一番のメインはカヲル君かもしれない。
チョコよりも、カヲル君と作業するのが楽しみなんだ。
カヲル君もキッチンに来たことで、早速チョコレート作りに取り掛かることにする。

「簡単なやつにしようと思うんだ。生チョコなんてどうかな?」
「シンジ君に全てを委ねるよ」
「何か大袈裟だなぁ。じゃあ、まずチョコを溶かそう」

水張った鍋を火にかけている間に、板チョコを細かく切り刻んでいく。

「あ、カヲル君もやる?」

気付けば、いつもの癖でつい僕だけが刻んでしまっていた。
今日はカヲル君と一緒に作る予定だし、カヲル君が提案してくれたんだし、それに僕もカヲル君と作りたいという気持ちは十二分にある。

「その辺りはシンジ君に任せるよ。僕はチョコを溶かすところからやろうかな」
「わかった。刻んだチョコをボウルに入れるから、カヲル君は溶かして」

チョコを刻むのは全部僕がやってしまった分、チョコを溶かすのはカヲル君に任せよう。
カヲル君はヘラで丁寧にチョコを溶かしていく。
かなり細かく刻んだお陰かすんなり溶けてくれたみたいだ。

「うん、こんなもんかな。カヲル君、もういいと思うよ」
「味見は?」
「味見って言っても、まだ溶かしただけだし……カヲル君したいならちょっとしてもいいよ?」
「そうだね……」

カヲル君は指でチョコを掬い取って、その指を僕の口に突っ込む。

「んんっ!?」

突然のことに思考停止している僕の口から指を引き抜くと同時に、今度は口を唇で塞がれた。

「んっ……」

カヲル君の舌が僕の口の中のチョコを舐めていく。
甘い……。
これはチョコのせいなのかな?
それともカヲル君が……?
カヲル君も甘さを求めるように何度も唇を離してはくっつけて、僕の口の中を味わっている。

「カヲル君……」
「ん?」
「もうチョコないけど……」
「ああ、シンジ君がとても甘いから気付かなかったよ」

特に悪びれる様子もなく、にこりと笑う。
その口振りはチョコのあるなしは関係ないみたいだ。
ただキスしたかっただけなんじゃないか。
別に……僕も嫌なわけじゃないけど……料理中は止めてほしいな。
胸の高鳴りが気になって、それどころじゃなくなるから。

「もう……こんなことしてたら全然進まないよ」
「ふふっ、大丈夫だよ」
「何が……? 邪魔しているのはカヲル君なんだけど……」
「等身大のチョコってあるよね? あれのシンジ君のが食べたいなぁ……」
「カヲル君、君が何を言ってるのかわからないんだけど……」

話が噛み合ってないような気がする。
というか、実際噛み合ってないと思う。
カヲル君の話が難しいのはよくあることだけど、それにしたって全く意味がわからない。

「だからさ……」

そう言いながら、カヲル君はボウルを持ったまま僕の背中を押してキッチンから出ていく。

「いや、カヲル君……?」

キッチンから出てどうするのさ?
何か意味がわからなさすぎて怖いんだけど。
そっちはもしかしなくてもベッド……だよね?
カヲル君が僕をベッドに連れていった後にやることといえば一つしかない。

「なっ、何考えてるのさ、カヲル君!」
「何って僕はチョコが食べたいんだよ」

しれっとこれがさも当然の流れのように言われても、僕には全然理解できない。

「だから、さっき一緒に作ってだじゃないか」
「うん、そして、ここからが本番だね」

カヲル君は抱えていたボウルを置くと、僕をゆっくりベッドに押し倒す。
そっと倒している割には、僕の手首を掴む力は強い。
痛いって程ではないんだけど、状況が整理できないのと相まって、その力強さはちょっと怖い……かもしれない。
そして、カヲル君はそのまま服を脱がしにかかる。

「まっ、待ってよ! ほんとに意味が……」

わからないんだけど。
何で急にチョコレート作りからこう……その……体の絡みみたいなことになってしまうのか。

「等身大シンジ君チョコだよ」

カヲル君がここに一緒に持ってきたボウル。
当然そこにはさっき溶かしたチョコが入っている。

「まさか僕にチョコをかけるとかそういう……?」
「当たり」

よくできました、とでも言うようにカヲル君が微笑む。
その優しい笑顔とようやく状況を把握したことで、僕の不安が解消されていく感じを覚える。
けれど、さっきから状況は悪い方に流れている。

「いや、当たりとかそうじゃなくて……あっ、ちょっと待っ……」

僕の抗議は無視してカヲル君は僕の服を脱がす。
慌てて抵抗を試みるも、カヲル君の方が慣れた手つきで僕の体から服を剥がしていく。
あっという間に僕を覆い隠すものはなくなってしまった。

「カヲル君ってば……もう止めようよ」
「まだ何も始まっちゃいないじゃないか。このままでも美味しそうだけど……さて、トッピングの時間だ」

カヲル君がさっきのボウルから僕の胸の真ん中辺りにチョコを垂らす。

「あっ、あっつ……」
「熱いかい? 少し冷めてしまったし、シンジ君の綺麗な肌に火傷を負わせる程ではないと思うのだけれど……」

そう言いつつ、指でチョコの温度を確かめている。
こんなことして、僕の体を労るつもりがあるのか、そんなことはないのか。

「多少の熱さは我慢しておくれ。火傷はしないと思うから」

今度は腕に垂らしていく。

「ん、やっ……」

逃げようとする僕の手首をカヲル君が押さえ付ける。

「そんなに暴れないでよ。チョコが固まってきて、僕も急いでるんだから」
「あっ……や、だ……」
「ねぇ、シンジ君……大人しくして……?」

カヲル君は僕の胸の突起に舌を這わせる。
そこをカヲル君に丁寧に舐められると、何だか気持ちいい気がして、力が抜けてしまう。

「あっ……あん……カヲル君……」
「そう……そのまま……」

僕を慈しむような目を向けながらも、カヲル君は僕の体にチョコを垂らしていく。
僕は熱が篭った吐息を吐き出しながら、そんなカヲル君をしばらく見つめていた。

「っん、カヲル君……あのさ……」
「ん?」
「チョコ……足りないと思うんだけど……」
「そうだね、量を考えてなかったよ。残念だ」

そう言う割には全く残念そうに聞こえない。
カヲル君はなおも楽しそうだ。

「全身チョコに覆われているよりも、シンジ君が適度に見えていた方が美味しそうだ」
「もう……」

カヲル君は指で僕の胸の突起を弄りつつ、もう片方に舌を這わせる。

「こことかさ、むしろ大事なところが丸見えなんてやらしいね、シンジ君……」
「あんっ……カヲル君がやったんじゃないか」
「可愛いよ、シンジ君」

僕の胸に舌を這わせるのを止めて甘噛みする。
僕の二つの胸の突起はもっと触ってほしいとばかりにつんと勃っている。
感じてるってカヲル君に伝わったら恥ずかしい。
けれど、僕の体はカヲル君の一挙一動に反応してしまう。

「ああっん……」

突然カヲル君は愛撫を止めると、思い出したように切り出した。

「そうだ、シンジ君もチョコ食べるかい?」
「え、いいよ……」

カヲル君はボウルでもう固まってしまっているチョコの欠片を口に入れると、僕の唇に重ねて、チョコを移した。
カヲル君の舌で溶けたチョコが僕の舌を伝って甘美を訴えかけている。
頭がふわふわする。

「……いらないって意味だったのに」

いるって言ったらキスされるってわかってたから。
結局されたけど。

「じゃあ、こっち?」
「へ……」

僕が反応する間もなく、口が塞がれる。

「んぐ……」
「こっちを食べさせてあげる……」

理解するのにたっぷり三秒はかかった気がする。
これは……カヲル君の……。
さっきのチョコの甘さのせいでいつもより苦いような……口の中に若干残るチョコのお陰でいつもよりマシなような……不思議な感じだ。

「ん……ふぅっ……」

苦いのと、大きくて喉の方にまで届いてるので苦しい。
うっすら涙が浮かんできたのか、視界がぼんやりしてきた。

「あ、いいよ……シンジ君……」

僕の愛撫でカヲル君を気持ち良くさせてあげられてるんだろうか。
僕も少しはカヲル君のために頑張りたい。

「んっ……んん……」
「あっ、出すよ……」
「ん……」

カヲル君の白濁が口の中に吐き出される。

「はぁっ……シンジ君……?」
「あ……カヲル君……」

カヲル君の視線が僕の体の下の方に移動していく。
何も覆われていないソコは、きっと触らなくとも熱を持っているとわかるだろう。

「ふふっ、シンジ君……上だけじゃなくて下もこんなになってる」
「それは……」
「下の口にも食べさせてあげないとね……」
「え……あっ」

僕の上に冷たいものが垂らされる。
用意周到だ。カヲル君はローションを用意してあったらしい。
それを使って僕の入り口を軽く解していく。

「んぁっ……」
「入れるよ……」
「あっ……好きにして……」
「そう言われるとたまらないな……」
「さっきから好き放題してるじゃないか、カヲル君……」

カヲル君が好き勝手した結果チョコまみれになった手を差し出す。

「まぁ、そうだね……」

カヲル君が笑って、僕の手のチョコを丁寧に舐め取った。
何だかくすぐったい。
ただ手を舐められただけでも感じてしまってるんだろうか、僕は。
何だか僕を食べて、と自ら誘ってしまったようで急にドキドキしてきた。

「動くよ」

自分を僕の奥まで埋め込んだカヲル君が僕を見つめる。
こくんと首だけで頷くと、カヲル君が僕の壁を擦るように動き始めた。

「あっ……あぁん……カヲル君……」
「はぁっ……シンジ君……」

気持ちいい。
カヲル君と繋がると。
あまり素直に気持ちいいとは言えないけれど、声が、体が反応してしまう。

「あっ、あぁん……んんっ……イくっ」
「んっ……いい、よ」
「はぁっ……あっ……あぁあん……」

そのまま僕達は白濁を吐き出して、果てた。



「カヲル君、チョコ作りはもういいの?」
「僕はシンジ君がいれば何もいらないよ」
「嘘ばっかり」

でも、あながち嘘でもないかもしれないとぼんやり思う。
ぼーっとしている僕に比べて、カヲル君は相変わらず元気だ。

「大丈夫かい? まずはお風呂に行かないとね」
「シーツもドロドロだよ」

顔だけシーツの方を向けると、チョコやら白い液体やらで酷い有様だ。
これを洗濯しなければならないと思うと頭が痛い。

「次に洗濯だね。流石にこのままってわけにはいかないね」
「キッチンも片付けなきゃ……道具出しっぱなしだよ」
「その後は片付けか。やることが一杯だ」
「ほとんどカヲル君のせいなんだからね! ちゃんと手伝ってもらうから!」
「わかってるよ」

お詫びのつもりなのか、カヲル君はおでこに優しくキスをした。
そんなことされたって、許すのはきっちり最後まで手伝ってもらってからだ。

「まったくもう……早くお風呂行こう。ドロドロなんだから」
「立てる? 連れていこうか?」
「大丈夫!」

カヲル君となら片付けも含めて楽しいものになるだろうけど。
でも、こういうことはほどほどにしてほしいから厳しくしておこう。
ほんとはヤった直後で疲れていて早くもカヲル君を頼りたい、流されやすい自分を戒めるためにも。















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毎度お馴染みです。

H24.2.17



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